玉木正之「プロ野球大事典」

昨日ようやく玉木正之著「プロ野球大事典」を読了しました。平成2年(1990)発行と時代は遡るのですが、選手・監督・野球用語はもちろん、一見野球に関係ないような言葉まで、知識と皮肉とユーモア満載で網羅されていて、非常にこう読み応えのある一冊でした。著者はこの事典の中でよく「本当の意味でのプロの選手が少なくなった」と嘆いてますが、この時代よりさらに20年経った現在のプロ野球を著者はどう見るのか。とても興味あります。
管理野球からデータ野球、ID野球が一時期もてはやされて、今やそれが当然のような日本のプロ野球。プレイを楽しむより勝ちにこだわる、リトルリーグの延長のような選手ばかりと言うでしょうか。新聞の順位表に一喜一憂するファンばかりと嘆かれるのか。これを読むと、いかに野球とベースボールは違うということが(日本の野球がベースボールに端を発し歪んで変化していったかが)よくわかります。野球好きならぜひご一読あれ。個人的には「2011年版」をぜひ執筆願いたいです。
http://www.tamakimasayuki.com/index.htm(←玉木正之さんのHPです。スポーツ全般のコラムが楽しめます)
ちなみにぼくはこれをブックオフで100円で購入したのですが、裏表紙の返しに鉛筆書きで(絶)800と書いてありました。おそらく絶版本で800円の価格がついていたのでしょう。定価が600円なので以前はプレミアがついてたんでしょうが、時間と場所が変われば価値も変わるんですね。盛者必衰、驕る平家は久しからず、本の内容とは別に(勝手に)いろいろと考えさせられました(-_-)